親不知~北アルプス~中央アルプス 7日間で縦走 その①
TJAR(トランスジャパンアルプスレース)はご存知でしょうか?
最近ではNHKでレースの様子が放送されたり、書籍も販売されているのでご存知の方も多いかもしれません。
日本海からスタートし、北アルプス、中央アルプス、南アルプスを経て太平洋まで、総距離415㎞の長大なレースです。
このレースに触発されて、同じようなことをやってみたいと思い、今回の山行を計画しました。
日本海は親不知からスタートして、北アルプスを西穂山荘まで縦走、上高地から車道を約69㎞進み、中央アルプス木曽駒ケ岳~空木岳を縦走して駒ヶ根駅まで7日間で計画しました。
基本計画として行動時間18時間、睡眠時間6時間、1日のコースタイムを約23時間程度としました。
また、食糧は小屋やコンビニで調達(2日分の行動食は事前に準備)するようにしました。
出発前に水、食糧を抜いてザックの重量を測ったところ5.1kgでした。
親不知駅〜朝日小屋
朝日小屋〜船窪小屋
船窪小屋〜槍ヶ岳山荘
使用したギアたち
今回の山行で使用した道具をいくつかご紹介したいと思います。
幕営用具としてヘリテイジのストックシェルターを持っていきました。
私は季節を問わず登山は一通り経験しており、冬にツエルトでビバークした経験もあったためか、今回の山行では必要十分と感じました。なんといっても軽量なのが最高です!
細引きを4ヶ所に付けて、ペグを使用せず石でも設営できるようにしました。
石で設営する事の利点として、撤収が素早く行える、設営後に雨などで地面がぬかるんでも支持力の低下が起きにくいなどが挙げられます。
ペグも持って行きましたが、石で設営することが多かったです。
ストックシェルターはペグ2本で設営可能ですが、前後だけでなく左右も含めて4ヶ所をペグダウンするとより耐風性能がアップするので、吹きさらしの稜線上などで幕営する可能性がある場合は、4ヶ所を固定できるようにしても良いと思います。
風がある場所だとどうしても室内が風でたわんでしまい狭く感じるので、無風の状況とでは快適感がかなり違いました。
生地自体は耐水圧1,000mm/平方センチ、透湿量8,000g/平方メートル/24hrありますが、外気温が低く外がガスってたりすると特に結露がひどかったです。
縫製ラインにはシームシーリングしてないので、降雨時には漏水すると思っていた方が無難です。
また、ストックシェルターは密閉性が高いので(ベンチレータ―はありません)入口を完全に締め切ると暖かくて良いのですが、結露や降雨で内部が濡れている状況では生地の通気性が低下してしまうので酸欠に注意して下さい!実際に槍ヶ岳で泊まった時に酸欠で目が覚めることがありました。
最初はただの疲れからくる息切れかと思いましたが、寝返りをしただけで「ハァッハァッ」と息切れを起こして、これは酸欠だと気付いてからはファスナーを半開きにしたので、寒かったですけど眠ることができました。
結露が酷くなければ、閉め切っていても酸欠になることはなかったです。
室内は身長172cmの私が寝ると足は壁面に接します。
ファスナーを締めきると室内で座って作業するのもなかなか大変です。ストックは110cmのものを使用していたのも、狭く感じた原因の1つだと思います。個人的にはストックシェルター内で寛ぐことはできないと思います。
今回の山行でも本当に寝るだけという感じでした。
荷物を置くスペースも少ないので、荷物をたくさん持って行く山行には向かないと思いました。
今回持参した数少ない「贅沢品」の1つSEA TO SUMMITの枕。
通常の縦走では着替えや雨具を枕にしていますが、今回は荷物を極力減らしていたので十分な枕は作れないことは分かっていました。
私は枕がないと安眠できないタイプなので、ラージサイズの枕を持って行きました。結果、持っていって大正解でした!
ラージサイズで70gと軽量で肌触りも良く、この重量で安眠できることを考えれば軽いものです。
いくら軽量化といってもなんでも減らせばOKというわけでなく、枕だったりお酒だったり、人それぞれに譲れない物があると思います。
そういったことを考えながら、装備を準備するのも楽しいものです。
次回は後半戦槍ヶ岳~中央アルプス~駒ケ根駅です。
その2
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